特定原材料(アレルギー物質)第三者認証と関連検査>>
食物アレルギー
食物摂取時に、食物に含まれるある特定のたんぱく質が体内に入った場合、異物と認識し防御しようとします。通常ではこのたんぱく質に対し体内で抗体が作られ、免疫反応により病気の発症を抑えます。ところが人によっては、この異物を排除する機能が働くときに過敏な反応状態を起こし、その結果、さまざまな形で本人に好ましくない症状が発生します。
主な症状は、「かゆみ、蕁麻疹、唇やまぶたの腫れ、嘔吐、喘鳴(ぜんめい)」などがありますが、重篤な症状では、血圧低下、呼吸困難、全身発赤、意識障害等のアナフェラキシーショックを引き起こす場合もあります。
そのために表示が義務化された特定原材料やそれに準じたものについては、分析による裏付けが必要な場合があります。

特定原材料
発症数、重篤度から考えて表示する必要性が高いものとして、表示が義務化された7品目。
アレルギー物質 | 義務化された理由 |
---|---|
えび ・かに・卵・乳・小麦 | 症例数が多いため、義務化されたもの |
そば ・落花生(ピーナッツ) | 症状が重篤で、生命に危険がおよぶ可能性が高いため、特に留意が必要なもの |
特定原材料に準じるもの
可能な限り表示することが推奨された20品目。
(今後のアレルギー実態調査により、見直しで義務化の可能性もあります)
魚介類 | あわび・いか・いくら・さけ・さば |
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フルーツ類 | オレンジ・キウイフルーツ・バナナ・もも・りんご |
ごま・ナッツ類 | くるみ・ごま・カシューナッツ |
その他 | 大豆・まつたけ・やまいも・ゼラチン |
検査方法
ELISA法 -エライザ法-
抗原抗体反応を利用した測定法で、高い特異性(正確な検出精度)と感度(正確な定量精度)があります。測定したい抗原を定量できる。但し、加工食品や原材料によっては、偽陽性や偽陰性となる場合があります。その場は、後述のPCR法やウエスタンブロット法などによる確認(定性)検査をお勧めします。
PCR法 -Polymerase Chain Reaction-
ポリメラーゼ連鎖反応、合成酵素連鎖反応とも言います。特定のDNA断片を大量に得る方法で特異性(正確にその物質を検出する精度)が非常に高い方法です。試料中に抗原のDNA断片が1分子あれば、原理的には20回の反応の繰り返しで100万個以上(2の20乗)のコピーが得られます。この増幅された抗原のDNAを検査することにより、アレルギー物質の有無を検査します。定性検査として優れていますが、PCR増幅を阻害する物質などが含まれる場合は、検査不能となる場合がたまにあります。
ウェスタンブロット法 -Western Blot-
電気泳動によって分離したタンパク質を膜に転写し、任意のタンパク質に対する抗体でそのタンパク質の存在を検出する方法。定性検査として優れています。
イムノクロマト法
セルロース膜上を被検体が試薬を溶解しながらゆっくりと流れる性質(毛細管現象)を応用した免疫測定法です。検体中の抗原は検体滴下部にあらかじめ準備された金属コロイド等で標識された抗体(標識抗体)と免疫複合体を形成しながらセルロース膜状を移動し、セルロース膜状上にあらかじめ用意されたキャプチャー抗体上に免疫複合体がトラップされ程色し、それを目視により判定します。初期のスクリーニング検査や工場ラインのコンタミネーション検査として優れています。
スクリーニング検査 公定法 | ELISA法による定量検査(性格の違う2種類のキットで検査) | |
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確認検査 公定法 | 小麦・そば・落花生・えび・かに | PCR法 |
卵、乳 | WB(ウェスタンブロット)法 | |
公定法以外で、自主的な検査の場合、ELISA法(1種類のキット)やイムノクロマト法による検査 |
検査料金・検査日数については、お問い合わせください。
第三者認証と関連検査


番号 | 項目 | 要求事項 |
---|---|---|
FSM29 | アレルゲンの管理 | 全ての製造施設において、アレルゲンの管理計画を作成、実施しなければならない。 この計画には、アレルゲンの交差汚染にかかわるリスク評価および、実施する交差汚染のリスクを低減または除去するための管理手段が含まれていなければならない。 アレルゲンを含む、もしくは混入の可能性のあるすべての最終製品は、想定される出荷先の国の法令に従って識別されなければならない。 |
GMP7 | 従業員用の施設 | 従業員用の施設はアレルゲンを含めた食品安全のリスクを最小限に抑えるように設計され、運用されなければならない。 |
GMP9 | 交差汚染 | 原材料(容器包装資材を含む)、半製品、仕掛品、再生品、手直し品及び最終製品の汚染及び交差汚染を防止する手順を整備しなければならない。汚染源として、微生物、薬剤、アレルゲンなど食品安全のすべての側面を網羅しなければならない。 |
番号 | 項目 | 要求事項 |
---|---|---|
GMP-G 7 | 従業員用の施設 | 従業員用の施設はアレルゲンを含めた食品安全のリスクを最小限に抑えるように設計され、運用されなければならない。 |
GMP-G 9 | 交差汚染対策 | 原材料(容器包装資材を含む)、仕掛品、手直し品及び料理の汚染及び交差汚染を防止する手順を整備しなければならない。汚染源として、微生物、薬剤、アレルゲンなど食品安全のすべての側面を網羅しなければならない。 |
GMP-G 12 | 清掃・洗浄・殺菌消毒プログラム | 全行程・段階を通じて、整理整頓、清掃、洗浄、必要なところは消毒手順を定め、手順に従って実施し、衛生状態を常に適切な水準に維持しなければならない。また、清掃道具、洗浄剤及び殺菌剤は意図した目的に即したものを使用し、適切に保管しなければならない。 |