その他
第2回「ルールはあるのに守られない? ― 食品事故の背景にある“組織の問題”」
| その他
前回は、食品安全を守るためには、HACCPや手順書などの「仕組み」だけでなく、
それを実際に運用する「人」が重要であることをご紹介しました。
今回は、もう少し現場に近いところから考えてみましょう。
■ 皆様の職場ではありませんか?
例えば、このような場面です。
・忙しいので、本来の確認作業を省略してしまう
・点検はしたことにして、記録を後からまとめて記入する
・監査や審査が近づくと、急いで書類を整える
・ルール違反に気付いても、先輩なので注意しづらい
・異常に気付いても、上司に報告すると怒られそうで言い出せない
・教育は毎年実施しているが、従業員が内容を理解しているかまでは確認していない
もちろん、すべての事業所でこのようなことが起きているわけではありません。
しかし、一つひとつを見ると「大きな問題ではない」と感じてしまうものもあるのではないでしょうか。
■ 「個人の問題」で終わらせない
例えば、従業員がルールを守らなかった場合、
「本人の意識が低い」
「もっと教育しなければならない」
と考えがちです。
しかし、本当にそれだけでしょうか?
作業時間に無理はなかったでしょうか。
ルールそのものが現場の実態に合っていたでしょうか。
管理者が普段から「安全より納期」と受け取られるような言動をしていなかったでしょうか。
問題を報告した人が責められるような雰囲気はなかったでしょうか。
食品安全文化では、問題を単に
「その人がルールを守らなかった」
で終わらせず、
「なぜ、その行動を取ったのか?」
というところまで考えます。
■ 職場の雰囲気も食品安全を左右する
食品安全は、品質管理部門だけで作るものではありません。
経営者、管理者、製造担当者、パート・アルバイトを含め、
食品に関わる一人ひとりの日常的な判断と行動によって作られていきます。
「少しくらいなら大丈夫」
なのか
「小さな異常でも報告しよう」
なのか。
その違いを生み出すものの一つが、組織の「文化」です。
実は、このような「安全文化」という考え方は、
もともと食品業界だけで発展したものではありません。
次回は、食品安全文化のルーツについて見ていきましょう。
<< 前の記事
