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微生物(細菌検査)第三者認証と関連検査>>

検査項目(備考)

生物学的危害防止

食品は製造・加工・流通・消費まで全ての段階で、清潔で衛生的に扱われ、かつ適正な温度管理を受けなければなりません。食品の危害防止や品質管理で、微生物は大きなウェイトを占めます。食品の微生物汚染は微生物の「付着」「混入」「増殖」が3大要因です。実際はそれらが複合的的に関連・発生して大きなトラブルとなります。

微生物汚染を抑えるためには、「初期菌数の低減」、「二次汚染の防止」、「交差汚染の防止」、「適正な温度条件」による適切な微生物管理を行なう必要があります。

微生物汚染のひとつの判断材料として「衛生指標菌検査」があります。一般生菌数、大腸菌群、大腸菌等の食中毒菌と密接な関係にある微生物を検査することで、品質評価、安全性評価の基準とすることができます。原材料別、加工工程別、ロット別、工場別、季節別などで「衛生指標細菌」のデータを蓄積し、増減の傾向を分析・把握することにより、危害を予測し対策を行うことが重要です。

検査項目(備考)/検査方法
一般生菌数 エルシニア
大腸菌群/デソキシコレート法 セレウス菌
大腸菌群/MPN法 ウエルシュ菌
糞便系大腸菌群/ECテスト クロストリジウム属菌
大腸菌(E.Coli) リステリア
大腸菌/MPN法 赤痢菌
病原性大腸菌O157 腸球菌
病原性大腸菌O111 緑膿菌
病原性大腸菌O26 真菌(カビ・酵母)
病原性大腸菌 真菌(カビ数)
黄色ブドウ球菌 真菌(酵母数)
サルモネラ 乳酸菌数
腸炎ビブリオ 耐熱性菌(好気性)
カンピロバクター 嫌気性菌数
カンピロバクター/増菌法 細菌同定

衛生指標細菌

食品の規格基準で設定されている「一般細菌数」「大腸菌群」「大腸菌」などは衛生指標細菌と呼ばれ、それらには病原性はありませんが、病原菌の汚染指標や非衛生的な取扱の指標として用いられています。
「一般細菌数(一般生菌数)」は一般的な雑菌の数を表し、「大腸菌群」は汚水や土壌汚染または非衛生的な取扱(加熱食品の場合は、加熱の適正さや加熱後の二次汚染の有無)、「大腸菌」は糞便汚染の指標として利用されています。
これらが規格基準をオーバーしたからと言ってすぐに食中毒を起こすわけではありませんが、衛生的ではないということで違反食品になり、回収や廃棄の対象となります。

一般生菌数(一般細菌数) Standard Plate Count(SPC)-

標準寒天で35±1℃で、48±3時間培養後、発育する中温性・好気性細菌。一般生菌数の多少は食品全般の衛生的な取扱いの指標となり、一般生菌数が多いと食中毒の確率も高くなります。

P大腸菌群 Coliforms

グラム陰性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解してガスと酸を産生する、好気性もしくは通性嫌気性の細菌。大腸菌をはじめ、多くの腸内細菌科が含まれます。加熱処理済食品からの大腸菌群の検出は加熱不足や二次汚染等を示し、未加熱食品であっても大量に検出された場合は非衛生的な扱いを受けたことを示しています。

大腸菌 E.coli

食品衛生法では非加熱・包装後加熱食肉製品、魚肉練り製品、生食用カキ、加熱後摂取冷凍食品などでE.coliの成分規格が定められています。腸管出血性大腸菌O157なども含まれます。動物の糞便に生存する確率が高く、自然界では死滅しやすいため、E.coliが検出された食品は、糞便汚染など、大腸菌群が検出された場合よりも一層非衛生的な取扱いを受けた可能性、さらには、腸管系病原菌の汚染の可能性が高いことを示します。

食中毒細菌

分析項目 発生の多い食品と感染源 分析項目 好気・嫌気性
サルモネラ属菌
サルモネラ属菌画像
食肉、鶏肉、魚、ミルクなどの生の食品、レバー刺身、卵焼き、ローストチキンなどの畜産・水産加工食品に多い。 乾燥に弱い。10個以下の菌数でも発生事例有り。比較的酸に弱い。75℃1分で死滅する。 (感染型)
通性嫌気性
桿菌
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオ画像
魚介類の刺身や寿司などが感染源となる。生魚介類調理後の手指・まな板などからの交差汚染も多い。 好塩性(2~3%)で増殖が旺盛。最適条件下では、約10分で分裂(世代交代)にし、増殖が極めて早く、注意が必要。加熱、酸に弱い。 (感染型)
通性嫌気性
桿菌
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌画像
人の化膿した傷や炎症などに存在。適正温度を超えたハム、弁当、生菓子、惣菜などからの検出事例が多い。 耐乾・耐塩性があり、酸・アルカリにも強い。増殖時に耐熱性毒素)産生により食中毒事例が多い。 (毒素型)
通性嫌気性
球菌
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌画像
家畜・感染者の腸管、井戸水などに存在。主に非加熱食肉の摂取や二次汚染食材により感染。牛肉、野菜、ハンバーガーなどに多い。 O157、O26等のベロ毒素を産生する。少ない菌量でも発症。HUS等を併発して重症化の場合もある。酸に強い。75℃1分間の加熱で死滅する。 (感染型)
(毒素型)
通性嫌気性
桿菌
カンピロバクター
カンピロバクター画像
家畜・家禽などの腸管内に存在する。鶏肉、牛肉、豚肉、湧き水など。 100個程度の摂取でも感染。低酸素緩急を好む。30~45℃で良く増殖。低温凍結にも耐える。加熱には弱い。 (感染型)
微好気性
らせん状菌
セレウス菌
セレウス菌画像
食肉、野菜、乳、スープ、ソース、ピラフ、焼きそば、スパゲッティなど。 100個程度の摂取でも感染。低酸素緩急を好む。30~45℃で良く増殖。低温凍結にも耐える。加熱には弱い。 (感染型)
微好気性
らせん状菌
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌画像
ヒトや動物の糞便からの汚染。牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉が原因となり、カレー、スープ、肉団子、チャーシューなどが原因の食中毒。 加熱後、一昼夜常温放置された事例が多い。加熱後の温度管理が重要(芽胞発生の抑制)。 (毒素型)
偏性嫌気性
大桿菌
リステリア
リステリア画像
乳製品や食肉、食肉加工品などから感染。常温・真空包装でも増殖する。 無酸素で0℃でも増殖が可能。塩分・酸にも強い。加熱に弱い。 (感染型)
通性嫌気性
桿菌
ボツリヌス
ボツリヌス画像
土壌や魚や動物の糞便が汚染源。ハチミツ、いずし、辛子蓮根など。 ボツリヌス毒素は猛毒。野菜や果実は充分に洗浄。芽胞の耐熱性は極めて強い。 (毒素型)
偏性嫌気性
大桿菌

*細菌検査については、個別にお見積致します。 お見積もり

第三者認証と関連検査

ロゴ JFS-B規格
ロゴ JFS-G規格
番号 項目 要求事項
HACCP手順2 製品情報の記述 製品の仕様を文書で作成しなければならない。 その中には、ハザード分析に必要な全ての製品情報を記述しなければならない。HACCPシステムの適用範囲は、製品または製品グループごと、及び製造ラインまたは製造場所ごとに定められていなければならない。

⇒消費期限又は賞味期限の確認(保存試験等)

HACCP手順8(原則3) 許容限界の設定 各重要管理点について妥当性確認された許容限界を設定しなければならない。

⇒加熱等の基準設定(製造基準より厳しい条件での微生物の挙動確認)

HACCP手順11(原則6) HACCPプランの妥当性確認及び検証手順の設定
  • HACCP プランを実施する前に妥当性確認を行わなければならない。
  • 設定した取扱(HACCP プラン)がそのとおりに行われているかの確認、及び設定した取扱の修正が必要かどうかの判断を行うための手順(検証手順)を定めなければならない。
  • 検証は、製造工程における機器の設計、加工方法の変化や技術開発に適応するように実施しなければならない。

⇒加熱等での許容限界の設定等に問題がないかの確認検査

番号 項目 要求事項
HACCP-G
手順6・7 (原則1・2)
危害要因の分析と重要な危害要因の管理方法 原材料の仕入れから出荷までの工程の中で、健康被害を引き起こす重要な危害要因を自ら分析を行うか、もしくは適切な方法で特定し、これを管理する方法(どこで何を実施するか)を決めなければならない。 その際には次の6つの工程および、これを管理する方法)を少なくとも考慮に入れなければならない。危害要因としては、生物、化学物質(アレルゲンを含む)、硬質異物を検討しなければならない。
HACCP-G
手順6・7-4
加熱・再加熱 殺菌を目的とした加熱は、適切な温度と時間による加熱を実施しなければならない。
味・風味のための加熱の場合には、生で食べるものと同じ管理を行わなければならない。
また加熱調理に使用する油は、適切なものを使用しなければならない。
HACCP-G
手順6・7-5
冷却 加熱した料理等を冷却する場合には、適切な温度と時間による迅速かつ効果的な冷却を実施しなければならない。
HACCP-G
手順11
(原則6) 
検証手順の設定 重要な危害要因の管理の方法が、決められた通りに行われているかの確認と取扱いルールの修正の必要性を判断する手順(検証手順)を定めなければならない。検証結果は記録しなければならない。
GMP-G 9 交差汚染対策 原材料(容器包装資材を含む)、仕掛品、手直し品及び料理の汚染及び交差汚染を防止する手順を整備しなければならない。 汚染源として、微生物、薬剤、アレルゲンなど食品安全のすべての側面を網羅しなければならない。
GMP-G 12 清掃・洗浄・殺菌消毒プログラム 全行程・段階を通じて、整理整頓、清掃、洗浄、必要なところは消毒手順を定め、手順に従って実施し、衛生状態を常に適切な水準に維持しなければならない。 また、清掃道具、洗浄剤及び殺菌剤は意図した目的に即したものを使用し、適切に保管しなければならない。

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